第1部 吉崎 利生氏 講演要旨 「まちづくりとコミュニティ戦略」

吉崎 利生氏 講演

 結婚式の移り変わりがまちづくりに通じるものがある。

 昭和40年代の結婚式は、自宅での結婚式(地域・家庭のつながり、持ち寄り型)であった。その後、昭和50年後半から、結婚式場での結婚式(お任せ型、人とのわずらわしい関わりが無くなりお金を出せば全部処理)の結婚式となり、家庭地域との関わりが薄れていく。平成時代も21世紀に入ると、結婚式は、会費制グループでの結婚式(持ち寄り21世紀型)となる。21世紀持ち寄り型とは、お互い様という信頼関係、年功序列が無くなり平等、オープンでフラットな関係での結婚式が特徴である。

 地域についても同様であり、人と人の関わり、地域の関わりが薄れてきた頃から行政にお任せといった状況となってきた。平成の大合併時に言われ出したのが「選択と集中」の時代であり、合併により、個々地域のことに行政は動けなくなり(平等の扱い)、地域の皆がどう考えているか、市民の声により個性あふれる地域づくりを行う方策に進んできた。地域の人々が何をしたいかハッキリさせないと選択と集中はできない。行政は動けない状態となる。そこで住民はどうしたら地域づくりが進められるか。まず想いを伝える(やらなければならないこと、やるべきことを確かにする)。そして、21世紀型持ち寄り組織をつくる、志のある者はグループを組む。地域だけでできないことはNPO法人等に任す。地域でできないこともできる人に任す。若者に任すことが必要となってくる。オープンでフラットな地域運営が必要な時代となってきている。

 コミュニティ協議会は、単なる地縁団体ではなく実施体(事業体)であることを認識し、そして、コミ協を創る時には、地域に対し想いを込め、事業性のバランスをとり、利益が出るように計画し(「射利の考え」)、いつまでも補助金目当てではなく、儲けを出し、自立する。地域に雇用を作れるように射利の考え方を持つことが重要である。