第3回

第3回魚沼市まちづくり委員会全体会
食から考える地域づくり ~ご当地グルメで元気なまちを!~

○日時 平成23年2月27日(日) 13:30~15:50

○会場 魚沼市地域振興センター 2階 コンベンションホール

○内容

1.あいさつ

魚沼市まちづくり委員会  会 長 平井 正尚
魚  沼  市      市 長 大平 悦子様

2010年第3回

2010年第3回

 

2.まちづくり委員会のこれまでの報告   ※添付資料を参照してください。 

1)生活自然環境部会  資料1  資料2

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2)福祉健康部会 資料

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3)地域産業部会 資料

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4)教育文化部会 資料

2010年第3回

 

3.パネルディスカッション

パネリスト

  • 秋田県横手市 横手やきそば暖簾会
    理事長   伊藤 一男 様
  • 魚沼市ものづくり振興協議会
    食品部会長 杵渕 正夫 様
  • 茶々の会
    代 表   大桃 久子 様

アドバイザー

  • まちづくり委員会
    アドバイザー  川村 健一 様

コーディネイター

  • まちづくり委員会
    副会長  関 良則

・内容

(1)横手やきそば暖簾会の伊藤さんに、事前に質問していたことに対して、回答していただいた。

1)いつ頃から横手やきそばでまちおこしを始めたのか?

 バブル崩壊後の14~15年前から。まちおこしの方法について色々と考えていたとき、戦後まもなくから地元で愛され、親しみがあったやきそばがいいという話になり、やきそばでまちおこしをしようと決めた。その後予算がない中でもとにかく動こうと、11年ほど前にホームページを立ち上げたり、テレビの取材を受ける等、少しずつ横手やきそばの名前を広めていった。
 また同じ頃富士宮やきそばや群馬の太田市が、やきそばでまちおこしを始めたので、互いに協力していこうということになり、三国同盟と銘打って調印式まで行った。

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2)B-1グランプリに出始めた理由は?

 食べ物でまちおこしをする自治体が次第に増え始めた頃、八戸のせんべい汁の方が、折角だから食べ物でまちおこしをしている自治体を対象にして、全国大会をやろうということになった。それで音頭をとった八戸市で第1回目のB-1グランプリが開催された。第1回目は10団体程度だったが、現在ではB-1グランプリの元締めである愛Bリーグには70団体が登録し、今年中には80団体になる予定。

 

3)横手やきそばでまちおこしをするうえで、どのようにして地元の合意を得たのか?

 当初は、他にも食べ物はあるのに、どうしてやきそばでまちおこしをするのかというやっかみもあった。しかし昔から地元で食べてこられているということと、横手やきそばの名前が有名になっていったことから、次第に受け入れられた。

 

4)共通のレシピのようなものはあるのか?

 横手やきそばに決まった形は無く、地元横手市では山菜やきそばやイカ墨やきそば等、様々なやきそばがある。一番ポピュラーなものとしては、目玉焼きを乗せて福神漬けを添え、ひき肉が入ったやきそばがそうである。

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5)横手やきそばを名乗る条件はあるのか?

 横手やきそばを名乗る条件は、横手市で製造された、太くてストレートな茹で麺を使うことだけ。他に条件はない。

 

6)横手やきそばが有名になって、地元はどう変わったか?

 B-1グランプリを獲った当初は、観光客でとても賑わった。また秋田経済研究所というところから、企業ではないが横手やきそば暖簾会は表彰され、活動がいろいろな形で認められてきている。

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(2)茶々の会の大桃さんから、開高めしを作り始めた経緯の説明

 茶々の会は、生活改善グループという団体が前身で、合併後茶々の会という名称に変更し、料理本を出版するなど、魚沼の伝統料理の継承のために日々活動している。主な活動内容としては、子どもたちに料理を教えたり、都会から来た人たちと一緒に料理を作ったり、依頼を受けて料理を作ることを行っている。
 開高めしを作り始めたのは、2~3年前に尾瀬ルート活性化委員会から尾瀬の名物となるような食べ物の試作を依頼されたことがきっかけ。ちょうど試作品を依頼された時期には、開高健80周年パネル展が開催を予定されており、開高健が好んで食べていたものとして山菜めしがあるという話になった。茶々の会のメンバーに、実際に開高健に山菜めしを作っていた方がいたので、その人から指導を受け、パネル展で提供したところ、大変好評だった。その後いろいろなイベントで提供をしてみて好評だったので、開高めしをPRしていこうということになった。
 今後はいろいろなレシピを作り、湯之谷の商工会とも連携しながら、B-1グランプリのイベントのように盛り上げていきたい。

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(3)ものづくり振興協議会 食品部会長 杵渕正夫さんによる地域活性化への想い

ものづくり振興協議会では、単に工業系の企業だけではなく、大沢加工をはじめ食品加工等を行っている企業も参加している。地元産業の活性化のために、企業間の連携を行ったり、新規事業の創設を議論・検討したりしている。
 地域産業を活性化させるには、地元企業が互いに協力し合い、情報等を共有し、地元の良さを宣伝していかなければならない。

 

(4)会場からの質問とそれに対する回答

1)開高めしに対する意見

開高めしのレシピを是非公開してほしい。若い人が気軽に家で作ったり、来客へのおもてなしとして定番化するなど、普及に努めてほしい。
 また盛り上げていくためには、土台となる環境づくりが大切。イベントで宣伝したり、飲食店でいつでも食べれるようにする等、してほしい。

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・回答(茶々の会 代表 大桃久子さん)

大沢加工から、開高めしを家庭などで簡単に作れるように、濃い、普通、薄いの3種類の味付けの山菜パックを出しても良い。

 

2)横手やきそばの販売価格は変化しなかったのか?

横手やきそばが有名になった時、販売価格を上げたりしなかったのか。よく有名になると、途端に価格を上げることがある。そのようなことはなかった。

・回答(横手やきそば暖簾会 理事長 伊藤一男さん)

横手やきそばではそのようなことはない。B-1グランプリに参加している団体が所属している愛Bリーグでは、誰でも気軽に食べられるように、1コイン500円以内で食べれるようにするというきまりがある。何かのイベントで、横手やきそばが800円くらいで売られているということを聞いたことがあるが、それらは全て偽者。気をつけてほしい。
 また開高めしを売り出す時は、飲食店が先頭になってはダメ。どうしても飲食店は利益が優先になる。あくまで先頭になって頑張るのは市民団体のように利益が出なくても、地域を盛り上げるために活動する人たち。協力を求めるのは良いが、あくまで頑張る主体は市民だということを忘れてはいけない。

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・回答(茶々の会 代表 大桃久子さん)

 私は飲食店が率先して動かなければならないと思っていた。しかし伊藤さんの意見を聞いて、とても勉強になった。私達が頑張って動けば、地域は変えていけるという気持ちを持つことができた。

 

3)横手やきそばは、行政が絡まずにこれまでやってこられたのか?

・回答(横手やきそば暖簾会 理事長 伊藤一男さん) 

横手やきそばは、最初から行政と協力して一緒にやってきたから成功している。愛Bリーグの中でも、行政の協力が不十分で大変だという団体はたくさんある。横手市には、観光課や観光協会にやきそば専門の担当がいるほど、行政などと協力してやっている。そうしなければやっていけない。活動していく中で、行政と一緒にやっていくための協力体制を構築していかなければならない。
 横手やきそば暖簾会の中には、行政との協働はおかしいという意見もある。しかし、まちおこしをするのだから、行政との協力するのは当然。行政と協力していかなければ、いずれ限界にくる。

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4)横手やきそばの味の水準を守るために何かしているのか?

・回答(横手やきそば暖簾会 理事長 伊藤一男さん)

横手市では、横手やきそば四天王というイベントを毎回開催している。横手やきそば暖簾会に登録している店舗を回ってもらい、順位を決める。入賞すると、1年間は安泰。そのため店舗同士に競争意識が芽生え、年々味のレベルは上がってきている。

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(5)全体を通しての感想・意見

1)茶々の会 代表 大桃久子さん

 今回実際に活動している、横手やきそば暖簾会の方のお話を聴けて、とても勉強になった。今後の目標としては、地元の人が採った山菜を使って、開高めしを広めていきたい。定年後暇を持て余しているお年寄りに山菜を採ってきてもらい、それを使って開高めしを作る。このようにして地域の中で経済を循環させていくことができれば、地域に潤いをもたらすことができる。このような仕組みを作れるように頑張っていきたい。

 

2)ものづくり振興協議会 食品部会長 杵渕正夫さん

 魚沼の伝統食のように、地域に埋もれている伝統を掘り起こし、それらを伝承していかなければならない。そしてここ魚沼市でしかできないことを核にして、地域を盛り上げていきたい。そのために茶々の会や企業、行政と協力する方法を色々考えていきたい。

 

3)横手やきそば暖簾会 理事長 伊藤一男さん

 今横手やきそばはブームとなっているが、全国的に根付いているとは言い難い。今後はブームで終わらせないために、広島のお好み焼きや大阪のたこ焼きのように、横手やきそばを日本中に根付かせたい。初心を忘れず、これからも頑張っていきたい。

 

4)まちづくり委員会 アドバイザー 川村健一教授

 豊かさとは、今あるものの中でどれだけ満足して生きていけるかということ。単にものが豊かなのではない。今の生活にどう満足して生きていくかが、本当の豊かさ。
 食とは地域で育まれてきた文化。誇りと歴史。開高めしはまだまだ魚沼市に浸透してはいない。開高めしが魚沼市にとって、当たり前になるまで育てていかなければならない。
 大切なのは魚沼らしいまちづくり。魚沼市らしいまちづくりができるように、開高めしを広める活動を頑張っていってほしい。
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