「少子化が進むなか、魚沼市の学校はどうなるの」(講話要旨)
教育長 松原 道子
「魚沼元気」のさわやかな元気な歌で迎えられました。
優しい中にもしたたかなしなやかさ、そして強さを感じさせられる歌。
まちづくり委員会の皆様の熱意と愛情のこもった歌。
市民憲章の「豊かに学び合うまちづくり」を筆頭にあげてもらい、教育に携わる者としては本当に素晴らしいと改めて感激しました。
子供は地域の人(若い人からお年寄りまでの近所の方)から認めてもらい、声をかけてもらい、目にとめてもらうことで大きな喜びを得る。
そういう絆の中で子供は地域の人の眼差し、温かさ、周りのつながりなどに守られて育っていくと思っている。
子供は地域の人の肌のぬくもりを感じながら育っていくと強く感じている。
例えば、子供の学校帰りに近所のおばさんが「お帰り!」と声をかける。
自分の母親が近所の人たちとの立ち話を見ていると幸せな気持ちになる。
平成18年の市町村合併で総合計画の一環として学区再編成案を出した。
いつになってもその時代、状況により子供にとって、何がベストかを常に地域と行政が話し合って、より良い体制を作っていくというスタンス姿勢が必要。
魚沼の自然は他に類をみない素晴らしい財産を持っている。
人工的によって壊されない無垢のままの状態。
その自然の中で生きてきた生活と文化、人々に学んで親しんで何よりもそこに生き抜いている心を子供達に味わってもらい、これからの時代を築くべくたくましくチャレンジしていく子供になってもらいたい。それが教育の目標。
育てたい心として確かな学力と学びの心。「知・得・体」
魚沼の自然と、そこで生きてきた人々の生活、それらを継承していく心を学びたい。
最近の子供は外で遊ぶことが少なく、電子器や頭脳プレイなどに鋭くなってきている。もっと足腰を鍛える。その足を魚沼の地に据えて生きていく。
人生の構えを作ってもらう。
今年度、上条小学校が須原小学校に統合。
来年度は東湯之谷小学校が井口小学校に統合される。
これで来年度の魚沼市内の小学校数9校、中学校6校、幼稚園2園になる。
【人数の規模】
小出小と入広瀬小→8倍強。
小出中と入広瀬中→14倍強。
小規模の学校では(入広瀬地区)幼稚園から中学校までがスクラム制。
少人数ならではの素晴らしい面がたくさんある。
親身になった指導・一人一人の子供たちがいろんな体験を出来る・一人でいろんな役を背負う・子供たち同士がお互いを知り尽くしているので支えあう人間関係が作られる・地域の結びつきが強い・学校、地域、PTAの絆や連結が非常に強い。
しかしその反面良くない面もたくさんある。
幼稚園から中学校まで同じ人間関係が続くので一つつまずくと逃げ場がない・クラス替えもない・切磋琢磨するチャンスが少ない・学校行事などでは一人一人にかかる負担が大きい・中学校の部活では集団で行うスポーツ(バスケやバレーなど)が出来ない・教師の人数が限られているために専門分野の教師の確保が難しい・・・など
少人数は良い面もたくさんあるが、その反面で心細く弱い。
そうした中で計画されたのが学区再編成案。
合併前は学区が決められていたので遠距離通学をするしかなかったが、合併後
越境就学が可能になった。
集団活動の中でみなぎ合い切磋琢磨することによって社会性、協調性、たくましさを見つけるとともに中学校において新たな出会いによる人間関係や友人関係をつくることが出来る。
平成18年時、約500人の減少を推定していたが今の状況をみると約900人の減少と予想される。
校舎の耐震設計や補強工事でお金は手一杯だが、建て替えなくてはならないような古い学校のことも考えながら、学校の建築計画を踏まえ皆さんの意見を聞きながら新たな計画を作っていかなくてはならない。
大きな学区になると通学エリアの拡大による不便さも出てくるが、それぞれの事情を考えながらベストな道を探っていく。
近くの学校は地域の拠点であるということは今も昔も変わらない。
昔と違うのは車や情報網がスピーディに発達していること。それらを駆使してより幅広い交流や学びの文化をつくっていく。
地域の方も(中高年の方)とにかく学校へ行こう!!
学校を利用し、学校を拠点に生きがいをつくって町の活性化につなぐ。
その中に子供達を巻き込む。(真ん中に入れる)
皆さんのこの素晴らしい英知を結集し、ご意見や知恵をいただきながら子供達の世界をつくっていきたい。