第5回地域産業部会

第5回地域産業部会 議事録

○日 時   平成23年11月15日(火) 19:30~21:00

○会 場   小出庁舎 3階 委員会室

○内 容

1.部会長あいさつ

 

2.上越市安塚地区・津南町 雪室施設視察研修を踏まえての今後の方向性

(1)安塚地区について

 最初に安塚地区の雪のまちみらい館で、雪だるま財団の担当者の方から説明を受けました。内容としては下記のとおりです。

  • 雪が降る要因
  • 邪魔物とされてきた雪を、天からの恵み、地域の個性として活用するという逆転の発想
  • 雪室の歴史
  • エネルギーとしての雪について
  • 日本における雪エネルギーの偏在性について
  • 利雪による環境保全活動への取り組み
  • 安塚地区内における雪冷房施設の事例
  • 雪中貯蔵食品の魅力について
  • 雪中貯蔵食品のブランド化とその事例

 その後実際の雪室施設の見学ということで、雪のまちみらい館の雪室と道の駅の敷地内に作られた雪室を見させていただきました。

 

(2)津南町 農業生産法人(有)大地

 最初会社設立までの経緯を説明してもらい、その後施設内を見学させてもらいました。雪室は2部屋に区切られていて、片側に雪が積んであり、もう片方には野菜等が貯蔵されていました。当初は板で隙間を空けて区切っていたそうなのですが、それだと冷気が下に溜まり、貯蔵された農産物全体を冷やすことができなかったそうです。そこでビニールシートを使って間を区切り、冷気が区切られた上部から隣の部屋に流れるようにすることで、農産物を上部から全体的に冷やせるようになったそうです。

 

(3)部会員からの意見

  • 地域ブランドやそれを認証する機関を作る上では、参考になる話だった。ただ作るときにはバラバラに作るのではなく、きちんとブランドとしてのつながりを考えなければならない。また現在雪だるま財団と北魚沼農協が協力して、県内最大級の雪室施設の建設準備を進めているそうなので、その辺も地域ブランドに活用していけるのではないかと思う。
    また数年前に魚沼市バイオマスタウン構想というのがあった。いろいろな調査をしてそのためのポイントを調べた中で、バイオマスばかりではなくエネルギーというものについても、研究施設を作るなどして本気になって誰かしら研究してみることはできないのか、という意見もあり、かなり関心度が高かったという記憶がある。雪と薪を利用可能なエネルギーとして活用する雪薪プロジェクトというような話を、大学の研究機関などと実用化、あるいは実現可能なものとして考えていたと思う。雪だるま財団ではないが、雪をエネルギーとして研究するような組織や団体なりがあってはじめて、新しいものができていくと思う。特に魚沼のような雪国においては、雪がいいものばかりではなく日常生活を阻害する要因にもなっている。その辺も含めて研究してもらえたらと思う。
  • 魚沼ブランドというのは、地域産業部会として是非確立させたいという話は何度も出ている。明日16日には、「魚沼ブランド確立に向けた特別講演会」というのがある。県や市も強い思いがあるし、魚沼といえば魚沼産コシヒカリや酒、百合だけではなくて、まだまだ魚沼ブランドとして売り出す物があるのではないかという話で進めている。それらの品物を、雪中貯蔵することでブランド化が容易になるのではないかとも思う。ブランドとして認証される方法の一つとして、例えば雪室の中に何ヶ月か貯蔵しておくことでブランドとしての価値をつける。そのようなことができるのではないかと思う。
    今後JA北魚沼が雪だるま財団と協力して、県内最大級の雪室施設を建設するということだが、何よりもこのように雪を利用した商品の中で、確立されていない物なりストーリーなりがあるのではないか。雪中貯蔵された物がおいしいのはいいが、じゃあ一体どのように変化してどのように味が良くなっているのか、それを研究して実証してみる。そうしなければなかなか認められないのではないかと思う。人にどのように変化して、どう美味いのかと聞かれたとき、その説明がつくものとつかないものがあるので、その根拠がはっきりしていないとブランドの商品として売り出すものは難しい。説明がつくもので代表的なものは野菜があるし、米や酒については説明がつかないようだ。米であれば雪室に貯蔵するときは玄米のままではなく、精米して真空パックにして貯蔵する。玄米のままだと、雪室から出して精米するときに結露して濡れてしまう。精米して真空パックで貯蔵すれば、劣化せず貯蔵できる。出す時も真空パックにして外部の空気と触れさせないようにしているので結露しない。
    結露するのは、外部の空気との温度差でなるので、外部の空気と触れさせず、消費者に送るときは冷蔵したまま送れば大丈夫なようだ。酒についても、瓶詰めしたものを雪室で貯蔵しておくと変化しないそうである。雪室で貯蔵することで、米も酒もいい状態から劣化しない、米なら精米したて、酒なら絞りたてのまま変化しないから美味しいと言っている人もいるそうである。このあたりがきちんと立証されていないので、先程の話にも出たようにちゃんとした研究機関のようなものをつくり、実証してみなければブランドとして売り出し難いのではないかと思う。
    昔であればどこの家庭でも、冬になると野菜などを雪の中に埋めて貯蔵していたが、今ではやる人は少ない。冷蔵庫があるが雪室に比べたらよくない。雪室を家庭で簡単に使えるような形でできれば、非常にいい貯蔵庫になる。たとえ補助金が出たとしても、あまりに設置などに費用が掛かれば難しい。
  • 以前雪室活用の方法の一つとして、魚沼に雪室を作ってそれを貸し倉庫として商品を置いてもらい、それを「魚沼の雪室で冷やした~~~」という形で売り出せないかということを提案した。しかし今回視察に行って、既に雪だるま財団で同じようなことを先駆的にやっているようだし、今回の震災時でも東北の漬物会社から漬物を預かってほしいという話しがあったとも言っておられた。雪室を貸
     し倉庫として貸し出し、そこで冷やした商品をブランドとして売り出すのは、どうも難しい。今後魚沼市に提案することとしては、既にブランドとしてある商品を、雪室で貯蔵したら更に価値が付くというような形で持っていったほうが良いと思う。
    また商工会で研修に行った商店街の会長さんも、「その地域がブランド化していないのに、そこから出て行く商品がブランド化するわけがない」と言っておられました。魚沼でもブランド化しているものはあるので、その中から雪室によって更に価値が高くなるものを見つけて、それを売り出していくというようなことが必要だと思う。
  • 市内にある有名になっている商品でも、広神の~、堀の内の~というように、バラバラになっている気がする。折角合併して魚沼市になっているのだから、地域別に分かれているのではなく、魚沼の~というようにまとまって認知されたほうが良いと思う。また魚沼市に対しても、メディアなどに対しての広報をもっと積極的にやっていってもらうように提案していったらいいと思う。
  • これから魚沼の特産品として売り出していくものに関してはそれでいいと思うが、既に確立されているものについては、あえて魚沼の~というよりもこれからより売り出していく、押し出していくために行政と協力したほうがいいと思う。
  • いろいろと特産品を売り出したりするためにやっていると思うが、それがなかなか一本化されていない。県は県、市は市で独自にやっているのが、あくまで魚沼市のものを売り出していくのだから、魚沼市が一番強く押し出していくべき。
  • 堀之内の球根掘りのイベントは勿体無い。市がいろいろと規制してしまっている。もっと自由にやれるようにして、出店を出して地元の商品を売ったりすることで、球根掘りに来た人たちに買っていってもらい、経済効果を生み出したりできないか。毎年ただでたくさん掘りに来ていても、それが活かされていない。まだまだ市も職員も頭が固い。もっと魚沼市の経済などを活性化させていくために、柔軟な考えを持ってほしい。