第3回福祉健康部会

平成23年度第3回福祉健康部会 議事録

○日時   平成23年9月15日(木)   19:00~21:00

○会場   小出庁舎 3階 301会議室

○内容

1.開会あいさつ 部会長

 

2.「新病院等地域医療の提案に対する市の考え方について」 説明:新病院対策課

(1)新しい地域完結型医療の最良のしくみづくりに」ついて

 提案のとおり長岡に行かなくても地域で完結できる医療をめざして、各病院の明確な役割分担を図っていく。堀之内病院については療養病床と外来機能のみとする。

(2)優良な医師及び医療人の早急な指名・確保について

 最大の課題は医療スタッフの確保だと認識している。院長人事などできるだけ早く示したい。

(3)在宅医療の充実策及び遠隔地医療について

 高齢化により医療機関にかかる人は増えていく。提案のとおり在宅医療や遠隔診療などを充実さ
 せるよう努めていく。

(4)出資による新しい市民参画の“しくみ”づくりについて

 出資については財団法人設立準備委員会の中で検討していく。他にも日ごろの健康管理や医療機関の役割の理解、医療スタッフの紹介など市民貢献できる方法がある。

(5)新病院のテナントの充実策と柔軟性について

 現在基本設計の作業を進めているが柔軟に対応できるスペースを検討していきたい。

 

「部会員からの質問書について」

(1)公設民営と財団法人設立の方針に至った経緯

 直営は、医師の確保や財政面から考えると非常に難しい。市立病院として公益性を保ちつつも、運営は民間の柔軟性を生かした効率のよい運営ができる公設民営方式とした。これまで長い時間をかけ多くの意見を聞いた中で、魚沼市ではこの運営方式が最適だという結論に至った。

(2)市が肝いりで発足する財団法人が指定管理をすることは官制談合に当たるのではないか。

 市の指定管理者制度では市長が必要と認めた場合は公募をしないことができるとしている。選定委員会の選定を経て議会の議決で決定する。金額だけでなく総合的な判断も必要。市民の健康管理のため、すぐ撤退するようなことなく末永く地域に根を張った経営をしてもらわなければならない。市民の安心安全を目指すためにも市も深く関わっていく必要がある。

(3)指定管理者側の運営構想が見えない

 現在、構想を作成しているところなのでもう少し時間をいただきたい。

(4)市の運営経費負担をどう考えているか。

 今後、詳しく検討していきたい。

 (5)市の意思を反映させられる財団法人は直営と同じと思うが人件費削減が目的なのか。

 直営と同じとは考えていない。民間の法人として柔軟な経営をしてもらうためであり、人件費削減だけが目的ということではない。

 (6)計画策定はコンサルタントありきなのではないか。

 コンサルタント業者からは専門的見地での意見を出してもらい、基本計画策定委員会を設置し堀之内病院の意見聴取や市民からの意見を聞く会を開き、有識者会議・市議会の意見を踏まえ計画としたものである。

(7)新病院計画は重大案件であるので市の覚悟を聞きたい。

 市長始め職員は病院再編の成功を市の重要課題と位置づけ、持続可能な地域医療の実現に向かって全力で取り組んでいるのでご理解いただきたい。

 

3.部会員からのお話

 現在、各病院で医療スタッフが不足している。医療資源の集約をして基幹病院再編まで4年かかるが、それまで持ちこたえられるかが問題である。医者が足りないので患者を減らす必要がある。効率的に考えれば健康づくりが大切。新潟県の医療費は下から2番目。魚沼はその中でも低い。個人が健康づくりを学ぶための地域医療魚沼学校がある。その核になるのが新小出病院になる。
 また新潟大学の定員が増えて地域枠ができた。計画通りに進めば、あと5~6年で魚沼地域の医師不足は解消する可能性があると思う。市民もいっしょに参加できる仕組みをつくる必要がある。みんなが勉強しなければならない。佐久市には健康補導員、南魚沼市には健康推進員がいる。
 公設民営の議論はかなり前からされてきた。医療機関に掛かるとき公立か私立はあまり気にしないと思う。公立でなければならないということはない。まったくの民営だと赤字になったときに大変である。公設民営が良いという判断になった。良い医療を提供し信頼されれば経営も上手くいくと思う。

 

4.質疑応答・意見交換

  • 公立は赤字になってしまってだめ。民間では撤退されたらだめ。財団法人への指定管理は始めてのことになるので大変だと思う。
  • 小出病院の患者は多い。経営的に成り立つ。民間に完全に任せると何をするか分からない。市が口を出せなくなってしまう。外からの法人の指定管理だと医師会との連携が難しい。
  • 基幹病院、小出病院の役割分担がよく分からない。
  • 計画の中で役割分担は示している。
  • 実際に医者は足りなくなるのではないか。
  • 今はいないが6年後には増える。
  • 財団設立準備委員会に一般市民が入っていると聞いたが。
  • 2人入っている。まちづくり委員会の滝澤治さんも入っている。上村先生も入っている。
  • 準備委員会の名簿をいただきたい。 → 次回部会で配布
  • 準備委員会に入っている人達と交流し、私達の意見を分かってもらいたいと思う。
  • 市民が運営について一緒に考えるためには出資できる形態にする必要がある。出資者が市民の代表となって責任感をもってもらう。
  • 基幹病院より新病院を先に立ち上げないと空白ができてしまい心配である。
  • 公設であれば税金が使われていることになるので、出資しなければ意見が言えないという訳ではない。新小出病院の開院は基幹病院より先の方が良いと思う。
  • 院長人事をいつ頃決めるというスケジュールを早く示してほしい。不安で仕方がない。
  • 来年4月以降には財団法人ができて理事長も決まっていく。その後に院長も決まる。基幹病院より先に院長を決めた方が良い。
  • 今の話を聞いて安心できた。
  • 診療の質は今と同じようにしてもらいたいという意見があった。地域医療魚沼学校などで健康づくりのリーダーを育成してほしい。
  • 守門診療所は曜日ごとに医師が交代で手分けして手伝っている。
  • 医者もスタッフも手分けすることによって上手く回せる。健康づくりのリーダーは魚沼市でも育成できる。
  • いろいろな診療科を回っている人はどうすれば良いか。
  • かかりつけ医をつくることが大事。
  • 財団法人を認可する主管庁はどこになるのか。
  • 平成20年の法改正で認可制度はなくなった。一般財団法人と一般社団法人は登記をもって設立することになる。公益法人は認可が必要である。
  • 財団法人は失敗する可能性が高いと思う。指定管理者は厚生連(JA)が良いと思う。人事の停滞がない。
  • 厚生連も魚沼病院などでスタッフ不足の状態である。トップの考えが影響する。その地域に密着した人でないと士気が落ちる可能性がある。
  • 財団法人を設立して医療法人に移行する考えはあるか。 → 解散になる。今は考えていない。
  • 財団法人についての心配があるようなので小千谷病院の例などを聞かせてほしい。
  • 小千谷総合病院は中越地震で一旦落ち込んだが、給与カットなどで黒字になった。
  • 院長と理事会、評議会が大事だと思う。
  • 魚沼は地域が一体となっているので組織がまとまりやすいと思う。
  • 基幹病院も財団法人になるのか。 → 財団法人になる。後から公益法人になることは可能。
  • 市が医療法人を設立して指定管理者にする場合は、一般法人と条件が異なり、市の現状では難しい。
  • 自治体が法人を設立した先進地では財団法人が多い。
  • 経営が傾いたときにしわ寄せが来るのは遠い所になる。長く継続できる病院にしてほしい。